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2026.10.02 お役立ちコラム

引越しを機に防災対策!新居に必要な防災グッズと準備のポイント

引越しは防災対策を見直すチャンス

引越しは、荷物を新居へ運ぶだけのイベントではありません。
家具の配置や収納場所、生活動線など、これまでの暮らし方を一度リセットして見直せる貴重なタイミングです。

防災対策も例外ではありません。引越しをきっかけに必要なものと置き場所を整理すれば、無理なく備えを整えられます。

たとえば、なんとなくしまっていた防災グッズを「災害時にすぐ使える場所はどこか」という視点で配置し直したり、古くなった非常食や防災用品をチェックしたりできます。
さらに新居では、家具の配置を一から決められるため、避難経路を確保しつつ、倒れにくいレイアウトを考えることも可能です。

内閣府も、家具の転倒や散乱が避難の妨げになるおそれがあるとして、家具の配置や固定といった対策を呼びかけています。

新居では防災グッズの置き場所も決め直せる

防災グッズは、持っているだけでは十分とはいえません。
必要なときにすぐ取り出せる場所にあってこそ役立ちます。

引越しでは、荷物を一つずつ確認しながら運ぶため、防災グッズの収納場所をあらためて決める絶好の機会です。

たとえば、避難時に持ち出す非常用持ち出し袋は、玄関など、すぐ手に取れる場所に置いておく方法があります。
水や非常食といった備蓄品は、家族が場所を把握しやすく、取り出しやすいところにまとめておくと管理が楽になります。

注意したいのは、押し入れの奥や大型家具の裏など、普段から取り出しにくい場所にしまい込んでしまうことです。荷ほどきの際は「空いているところに入れる」のではなく、「災害時に使いやすいか」を基準に置き場所を決めましょう。

引越し前に不要な防災用品を整理できる

防災グッズは、購入したまま何年も収納しっぱなしになっていることが少なくありません。
引越しは、それらを一つずつ見直すよいきっかけになります。

非常食や飲料水には保存期間があり、乾電池やモバイルバッテリーも状態の確認が必要です。
古くなったものや使わなくなったものをそのまま新居へ運ぶのではなく、状態と必要性を確かめてから持っていきましょう。

また、必要な防災用品は家庭ごとに異なります。
内閣府の防災資料でも、子ども・高齢者・ペットなど、家族構成に応じた備えを用意することが示されています。

引越しを単なる「荷物を減らす作業」と捉えず、防災用品も含めて持ち物全体を見直す機会にすれば、新居での管理もぐっとしやすくなります。

新居周辺の災害リスクも確認しておく

住む場所が変われば、想定すべき災害や避難の方法も変わる可能性があります。
洪水や土砂災害、地震など、地域によってリスクはさまざまです。

そのため、引越し先が決まったら、自治体のハザードマップなどで新居周辺の想定災害を確認しておくことが大切です。
内閣府も、地域の状況に応じて備蓄量などを考えることの重要性を示しています。

「前の家では問題なかったから」と考えず、新居を基準に防災対策を組み立て直しましょう。
避難場所や避難経路は、実際に歩いて確かめておくと、いざというときも落ち着いて行動しやすくなります。

家具の配置と防災対策を同時に考えられる

新居の家具配置では、見た目のよさだけでなく、防災の視点も取り入れたいところです。

たとえば、寝る場所の近くに背の高い家具を置かない、避難経路を家具でふさがない、倒れるおそれのある家具は適切な方法で固定するなど、レイアウトと防災対策を一緒に考えられます。
内閣府の防災資料でも、家具は倒れる向きや場所を考えて配置し、転倒防止器具を活用して倒れにくくすることが紹介されています。

引越し後に家具を動かして対策するより、搬入前に配置を決めておくほうが、最初から安全性を意識した部屋づくりができます。

引越しは、新しい生活の区切りです。このタイミングで防災グッズだけでなく、「どこに住み、何を備え、どう行動するか」まで見直しておけば、新居での暮らしはより安心できるものになるでしょう。

引越し前に確認したい新居の防災環境

引越し先が決まったら、防災グッズをそろえる前にまず確認しておきたいことがあります。
新居周辺の災害リスク、避難場所、ライフラインの位置などです。

同じ市区町村内の引越しでも、住む場所が変われば、想定される災害や避難経路は変わることがあります。

国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、洪水・土砂災害・津波などの災害リスクや避難場所を地図上で確認できます。
新居の住所が決まった段階で、一度チェックしておくと安心です。

ハザードマップで災害リスクを確認する

最初に確認したいのは、新居周辺でどのような災害が想定されているかです。
自治体が公開しているハザードマップや、国土交通省のハザードマップポータルサイトを使えば、洪水や土砂災害などのリスクを調べられます。

とくに、次のような情報は押さえておきましょう。

  • 洪水や内水氾濫による浸水リスク
  • 土砂災害の危険がある区域
  • 津波や高潮の浸水想定区域
  • 地震に関する地域の情報
  • 避難場所や避難所の位置

ただし、ハザードマップは「災害が起きれば必ずそのとおりになる」という予測ではありません。
想定されるリスクを知り、避難や備えを考えるための資料として活用してください。

新居の住所を確かめながら家族で一緒に見ると、普段の生活では気づきにくい危険箇所にも目が向きやすくなります。

避難場所・避難経路を確認する

ハザードマップでリスクを把握したら、次は避難場所と、そこまでの経路を確認します。

避難先は「自宅からいちばん近い場所」だけ覚えておけばよいとは限りません。
災害の種類によって適した避難先が異なる場合があるため、自治体などが示す情報もあわせて確認しておきましょう。

避難経路は、地図上で見るだけでなく、可能であれば実際に歩いてみるのがおすすめです。
たとえば、次のような点をチェックします。

  • 大きな道路を渡る必要があるか
  • 狭い道や坂道がないか
  • 大雨のときに通りにくくなりそうな場所はないか
  • 夜間でも安全に移動できそうか
  • 子どもや高齢者と一緒でも移動しやすいか

国土交通省も、ハザードマップを避難や事前の防災対策に役立つ情報として案内し、避難ルートや避難方法をあらかじめ検討することを示しています。

引越し前に一度歩いておけば、「いざ避難となったとき、どちらへ向かえばいいのか分からない」という状況を減らせます。

新居のブレーカーやガスの位置を確認する

新居に入ったら、電気のブレーカー、ガスの元栓、水道の止水栓などの位置も確認しておきましょう。
普段はあまり意識しない場所ですが、災害時にはライフラインを安全に扱う場面が出てくることがあります。

ブレーカー(分電盤)がどこにあるのかは、家族全員で共有しておくと安心です。

引越し直後は段ボールや家具が多く、設備のある場所に近づけないこともあります。
収納や家具の配置を決める前に、ライフライン設備の位置を確認しておくとよいでしょう。

なお、災害時の電気・ガスの扱いは、災害の種類や設備によって対応が異なります。
実際に操作するときは、電力会社やガス会社、自治体などが案内する手順を確認してください。

家族との連絡方法や集合場所を決める

災害が起きたとき、家族が同じ場所にいるとは限りません。
仕事や学校、外出先など、それぞれ別の場所にいる可能性を考えて、連絡方法や集合場所をあらかじめ話し合っておきましょう。

たとえば、次のような内容を決めておくと、いざというときの判断材料になります。

  • 災害時の連絡手段
  • 家族が集まる場所
  • 自宅以外の避難先
  • 子どもの迎えが必要になった場合の対応
  • 携帯電話が使えない場合の連絡方法

引越し直後は、新しい住所や周辺環境に慣れていないこともあり、こうした確認を後回しにしがちです。
しかし防災は、災害が起きてから考えるのではなく、平常時に家族で確認しておくことが大切です。

新居での生活を始める前に、**「この地域ではどんな災害が考えられるか」「どこへ避難するか」「家族とどう連絡を取るか」**を整理しておけば、防災グッズの置き場所や必要な備えも、より具体的に考えられるようになります。

引越し時に準備しておきたい防災グッズ

引越しを機に防災対策を見直すなら、まず「何を準備するか」を整理しておきましょう。

防災グッズには、避難するときに持ち出すものと、自宅での生活を支えるために備蓄しておくものがあります。
消防庁も、非常持出品と非常備蓄品を分けて準備するよう案内しています。

必要なものは、家族構成や住んでいる地域、想定される災害によって変わります。
「防災セットを一つ買えば安心」と考えるのではなく、普段の生活で使っているものをベースに、災害時に不足すると困るものを少しずつ補っていくと準備しやすくなります。

水・食料などの備蓄品

災害でライフラインが止まると、普段のように水や食料を買えない場合があります。
飲料水や食料は、一定量を備えておくことが大切です。

内閣府の資料では、家庭で最低3日分、可能であれば1週間分程度の食料・飲料水などを備蓄する考え方が示されています。

備蓄する食品は、特別な非常食に限る必要はありません。
たとえば、次のような食べ慣れたものを取り入れる方法もあります。

  • レトルト食品
  • 缶詰
  • 乾麺
  • パックご飯
  • 飲料水
  • お菓子
  • 日常的に食べる食品

引越しの際は、現在の家にある非常食や飲料水をそのまま新居へ運ぶ前に、賞味期限と数量を確認しておきましょう。

また、備蓄した食品を日常的に消費し、食べた分を買い足す「ローリングストック」を取り入れると、期限切れを防ぎながら無理なく備蓄を続けられます。

停電に備える照明・モバイルバッテリー

停電すると、照明やスマートフォンの充電など、当たり前に使っているものが使えなくなる可能性があります。
そこで用意しておきたいのが、懐中電灯やランタンなどの照明器具です。

とくに引越し直後は、家具や段ボールが多く、暗い部屋の中を安全に動けないことがあります。
照明器具は、収納場所を決める前でもすぐ取り出せるようにしておくと便利です。

スマートフォンを情報収集や連絡手段として使うことを考えると、モバイルバッテリーや予備の電池も備えておきたいところです。
消防庁が紹介する非常持出品の例にも、懐中電灯、携帯用充電器、予備電池などが挙げられています。

ただし、モバイルバッテリーなどのリチウムイオン電池は、破損や異常がある状態で使うと、発煙・発火につながるおそれがあります。
引越し前後に古いバッテリーが見つかったら、膨張や破損がないかを確認し、異常があるものは使用しないようにしましょう。

断水に備える衛生用品

災害時には、水道が使えなくなる可能性も考えておく必要があります。
飲み水だけでなく、手洗いやトイレ、身体を清潔に保つための用品も、不足すると困りやすいものです。

たとえば、次のようなものがあります。

  • 携帯トイレ・簡易トイレ
  • ウェットティッシュ
  • トイレットペーパー
  • ごみ袋
  • ラップ
  • 生理用品
  • ドライシャンプー
  • タオル

とくにトイレは、断水時だけでなく、排水設備の安全確認が必要になる場合もあるため、飲料水や食料と同じように備えておきたい用品です。

家族に乳幼児や高齢者、介助が必要な人がいる場合は、普段使っている衛生用品を基準に必要量を考えましょう。

引越しでは、こうした日用品が段ボールの奥に入り込んでしまうことがあります。
新居ですぐ使うものと防災用の備蓄品は分けておき、必要なときに取り出せるようにしておくと安心です。

情報収集に必要なラジオ・通信手段

災害時には、被害状況や避難情報を確認するための情報収集手段も欠かせません。

スマートフォンは便利ですが、停電による充電切れや通信障害が起こることも考えられます。
情報収集の手段を一つに頼りすぎないことが大切です。消防庁の非常持出品の例にも、携帯ラジオや予備電池が含まれています。

あわせて、日頃から自治体の防災情報を受け取れるようにしておくことも、防災対策の一つです。
引越し後は、自治体の防災メールや公式アプリなど、新居の地域で利用できる情報提供サービスを確認しておきましょう。

避難時に使う防災用品

災害の状況によっては、自宅から避難しなければならないこともあります。
非常用持ち出し袋などに、避難時に必要なものをまとめておきましょう。

消防庁が紹介している非常持出品には、飲料水、食品、貴重品、救急用品、懐中電灯、携帯ラジオ、携帯用充電器などがあります。

家庭によっては、さらに次のようなものが必要になる場合もあります。

  • 常用している薬
  • メガネ
  • マスク
  • 雨具
  • 防寒用品
  • 乳幼児用品
  • 生理用品
  • 補聴器などの必要な機器

重要なのは、「一般的な防災セットに入っているもの」だけで判断しないことです。
家族一人ひとりが普段の生活で必要としているものを考え、避難時に持ち出せるよう準備しておきましょう。

引越しの際は、防災グッズを同じ段ボールにまとめて入れず、すぐ持ち出すものと、新居で保管する備蓄品を分けておくのがポイントです。
新居での生活が始まる前に最低限の防災用品を使える状態にしておけば、段ボールの片付けが終わっていない時期でも、必要な備えを確保できます。

引越し当日に手元に置いておきたいもの

引越し当日は、荷物の搬出・搬入や家具の配置などで慌ただしくなります。
防災グッズをすべて段ボールに詰めてしまうのではなく、引越し中も自分で管理するものをあらかじめ分けておきましょう。

とくにスマートフォンや飲料水、懐中電灯などは、作業中や新居に到着した直後にも必要になる可能性があります。当日使うものを一つのバッグにまとめておけば、荷物の中から探す手間も省けます。

スマートフォン・モバイルバッテリー

引越し当日は、スマートフォンを使う場面が多くなります。
引越し業者との連絡、地図の確認、新居の設備に関する確認など、普段以上に活躍するでしょう。
万が一災害が起きたときにも、情報収集や家族との連絡に欠かせません。

スマートフォン本体に加えて、充電ケーブルやモバイルバッテリーも手元に置いておくと安心です。
モバイルバッテリーは、できれば引越し前に十分充電しておきましょう。

ただし、モバイルバッテリーなどのリチウムイオン電池は、強い衝撃や圧迫を受けると発熱・発火するおそれがあります。
引越し業者に預ける荷物とは分け、自分で状態を確認しながら持ち運ぶことも検討してください。

飲料水・非常食

当日は荷物の搬出入で長時間動き続けるため、飲料水はすぐ取り出せるようにしておきましょう。
旧居から新居までの移動距離が長い場合や、夏・冬の引越しでは、こまめに水分を取れる準備が大切です。

また、新居に着いてすぐに食事を用意できるとは限りません。
冷蔵庫や電子レンジがまだ使えなかったり、キッチン用品が段ボールに入ったままだったりすることもあります。
次のようなものを、すぐ取り出せるバッグに入れておくと便利です。

  • 飲料水
  • すぐ食べられる食品
  • 栄養補給ができる食品
  • 子ども用の飲み物や食品

これは災害への備えであると同時に、引越し当日の生活を支える準備にもなります。

懐中電灯

新居に到着しても、照明がすぐ使えるとは限りません。
照明の取り付けが済んでいなかったり、電気の使用開始手続きの状況によっては、暗い場所で作業することになったりする可能性もあります。

そこで、懐中電灯や小型のランタンを手元に置いておきましょう。
スマートフォンのライトだけに頼ると充電を消費してしまうため、専用の照明器具を別に用意しておくと安心です。

懐中電灯はバッグの奥にしまい込まず、必要なときにすぐ取り出せる場所に入れておくのがポイントです。

救急用品・衛生用品

引越し当日は、荷物の運搬や片付けの最中に、思わぬけがをすることがあります。
絆創膏や消毒用品などの救急用品は、すぐ使えるようにしておきましょう。

あわせて、ウェットティッシュやティッシュ、マスク、生理用品、常用している薬など、普段使っている衛生用品も手元にあると便利です。

とくに注意したいのが、薬を段ボールに入れてしまうことです。
毎日使うものや、必要なときにすぐ使いたいものは、引越し業者に預ける荷物とは分けて、自分で管理しましょう。

重要書類・貴重品

防災用品ではありませんが、引越し当日にとくに気をつけたいのが、現金、身分証明書、印鑑、契約関係の書類などの貴重品です。
これらは段ボールに入れて運ばず、自分で管理しながら新居まで持っていくのが基本です。

引越しに関する書類や新居の鍵も、すぐ取り出せる場所にまとめておくと、到着後の手続きがスムーズになります。
災害に備えて、家族の連絡先や緊急連絡先を確認できる状態にしておくと、さらに安心です。

引越し当日は「防災グッズだけを別にする」と考えるよりも、スマートフォン・水・照明・薬・貴重品など、当日なくなると困るものを一つの手元管理バッグにまとめると分かりやすくなります。

新居に到着してから荷ほどきが終わるまでの間も、そのバッグだけはすぐ取り出せる状態にしておきましょう。

新居で防災グッズを置く場所の決め方

防災グッズは、用意するだけでなく「どこに置くか」まで決めておくことが大切です。
収納場所が分からなかったり、家具や荷物に囲まれて取り出せなかったりすると、せっかくの備えもすぐに使えません。

新居への引越しでは、家具や収納の配置を決める段階から、防災グッズの置き場所も一緒に考えておきましょう。
とくに意識したいのは、次の3点です。

  • 取り出しやすさ
  • 家族との共有
  • 避難経路への影響

すぐ持ち出せる場所に置く

災害で避難が必要になったとき、防災グッズを探している余裕はないかもしれません。
非常用持ち出し袋など、避難時に使うものは、すぐ持ち出せる場所に置いておきましょう。
玄関付近の収納や、玄関からすぐ手が届く場所が候補になります。

ただし、玄関に荷物を置きすぎると、避難経路をふさいでしまうおそれがあります。
扉の開閉や人の移動の妨げにならないかも確認してください。

また、防災グッズを高い場所に収納すると、地震で落下したり、取り出す際に危険が生じたりすることがあります。
「収納できる場所」ではなく、災害時に安全に取り出せる場所を基準に選ぶのがポイントです。

家族がわかる場所にまとめる

防災グッズの場所を知っているのが一人だけでは、いざというときに困ります。
家族が別々の部屋にいるときや、普段管理している人が外出しているときに災害が起こることも考えられるためです。

収納場所を決めたら、家族全員が「どこに何があるか」を把握できるようにしておきましょう。
たとえば、次のように具体的な場所を共有しておくと分かりやすくなります。

  • 非常用持ち出し袋は玄関
  • 飲料水はキッチン横
  • 携帯トイレはこの収納

子どもがいる家庭では、子ども自身が取り出す必要があるものを手の届く場所に置くなど、年齢に応じた収納方法も考えましょう。

玄関周辺に備えておきたいもの

玄関は、避難時にすぐアクセスできる場所です。
非常用持ち出し袋や懐中電灯など、避難時に使う防災用品を置く場所として検討できます。

とはいえ、玄関に何でも集めればよいわけではありません。
靴箱に大量の荷物を詰め込んだり、玄関の床に段ボールや防災用品を積み重ねたりすると、かえって避難の妨げになります。
玄関収納を使う場合は、必要なものを取り出しやすい状態にしておきましょう。

また、玄関が浸水する可能性のある地域では、防災グッズをすべて玄関に置くのが適切とは限りません。
新居周辺の災害リスクも踏まえて、保管場所を決める必要があります。

寝室に備えておきたいもの

就寝中に地震などが起きると、停電や家具の転倒によって、すぐに部屋の外へ移動できなくなることがあります。
寝室にも、懐中電灯など停電時に使えるものを用意しておくと安心です。
ベッドや布団の近くに小型のライトを置いておけば、夜間の停電時にも周囲を確認しやすくなります。

ただし、家具の上など高い場所に物を置くと、揺れで落下する危険があります。
寝室では、防災グッズの置き場所だけでなく、家具の配置そのものにも目を向けましょう。

とくに、寝ている場所に家具が倒れ込まないか、出口まで移動できるかは、必ず確認しておきたいポイントです。

キッチン周辺で注意したいこと

キッチンは、飲料水や非常食などの備蓄品を収納しやすい一方、火気や水を使う場所でもあります。
食品や水は、賞味期限を確認しやすく、必要な量を取り出しやすい場所に収納しましょう。

棚や食器棚に防災用品をしまう場合は、地震の揺れで中身が飛び出さないかも確認したいところです。
収納のために新しく棚を置くときも、家具そのものの転倒対策を忘れないようにしてください。

また、キッチン周辺に防災グッズを集中させすぎると、災害時にキッチンへ近づけなくなったときに取り出せなくなるおそれがあります。
水や食料などの備蓄品と、避難時に持ち出す用品は分けて考えると、使いやすい収納になります。

新居で防災グッズの場所を決めるときは、「空いている収納に入れる」という発想から一歩進めて、災害時に誰が、どこから、何を取り出すのかをイメージしてみましょう。

引越し直後に収納場所を決めておけば、その後も防災用品の位置が変わりにくく、家族全員で共有しやすくなります。

引越しを機に家具・家電の防災対策をしよう

引越しは、家具や家電の防災対策を見直す絶好のタイミングです。
新居では、家具を搬入する前から配置を考えられるため、「どこに置くか」と「どう固定するか」を同時に検討できます。

地震が起きたとき、家具の転倒や移動、収納物の落下は、けがや避難の妨げにつながるおそれがあります。
内閣府も、家具の配置を見直したうえで、転倒防止器具などを活用する対策を案内しています。

新居のレイアウトを決めるときは、インテリアとしての使いやすさだけでなく、災害時の安全性も意識してみましょう。

家具の転倒を防止する

タンスや本棚、食器棚などの背の高い家具は、地震の揺れで転倒する可能性があります。
家具を置いてから対策を考えるのではなく、搬入する段階から転倒防止を意識しておくことが大切です。

固定方法には、L字金具、ベルト式器具、突っ張り棒などがあります。
家具や壁の状態によって適した方法は異なるため、製品の説明書や住宅の構造を確認して選びましょう。

家具の中身にも工夫が必要です。
重いものを下のほうに収納して重心を低くしたり、家具の上に物を置かないようにしたりすることも、転倒・落下対策につながります。

賃貸住宅では、壁や床への穴あけが必要な固定方法を使えない場合があります。
管理規約や賃貸借契約を確認したうえで、住宅に合った方法を選びましょう。

食器棚から食器が飛び出すのを防ぐ

家具が倒れなくても、地震の揺れで食器棚の扉が開き、中の食器が落下することがあります。
割れた食器が床に散乱すれば、けがのおそれがあるだけでなく、避難時の移動にも支障が出ます。

対策としては、扉の開放を防ぐ器具を取り付けたり、ガラス部分に飛散防止フィルムを貼ったりする方法があります。
内閣府の防災資料でも、食器棚や窓ガラスの飛散防止対策が紹介されています。

食器を収納するときも、重いものを下側に置くなど、収納方法を見直しておきましょう。
引越しでは食器を一度すべて取り出すため、収納の仕方を変えるのにちょうどよい機会です。

大型家電の転倒や移動に備える

冷蔵庫やテレビなどの大型家電も、地震の揺れで転倒・移動することがあります。
とくにテレビは、倒れると本体が破損するだけでなく、人に当たったり避難の妨げになったりするおそれがあります。

大型家電についても、取扱説明書などを確認して、適切な固定方法を検討しましょう。
東京消防庁も、家具だけでなくテレビやパソコンなどについて、転倒・落下・移動を防ぐ対策を案内しています。

冷蔵庫などは、自己判断で無理に固定せず、メーカーが案内している方法や専用の固定器具を確認することが大切です。
家電の上に物を置いている場合は、落下しないかもあわせてチェックしておきましょう。

家具の配置で避難経路をふさがない

家具の転倒防止対策をしていても、家具そのものが避難経路上にあれば、災害時の移動を妨げてしまいます。
新居のレイアウトを決めるときは、「家具が倒れないか」だけでなく、「倒れたり移動したりしても避難経路をふさがないか」という視点も持ちましょう。

東京消防庁は、避難通路や出入口の周辺に転倒・移動しやすい家具を置かないこと、家具が転倒・移動しても避難経路をふさがないレイアウトにすることを案内しています。

たとえば、次のような点を確認しておきましょう。

  • 出入口のすぐ横に背の高い家具を置かない
  • 廊下に収納家具を置きすぎない
  • 寝室から出口までの動線を確保する
  • 家具が倒れた場合のスペースも考える
  • 窓の前に背の高い家具を置かない

とくに引越し直後は、「とりあえずここに」と仮置きした家具が、そのまま定位置になってしまいがちです。
荷ほどきを急ぐあまり配置を決めてしまうのではなく、普段の生活動線と災害時の避難動線の両方を考えてから、家具の位置を決めましょう。

新居では、家具を置いてから防災対策をするのではなく、配置・固定・収納方法を一つのセットとして考えることが大切です。
引越しのタイミングで対策しておけば、後から家具を動かす手間も抑えながら、安全な部屋づくりにつなげられます。

家族構成に合わせて防災グッズを追加しよう

防災グッズは、すべての家庭で同じものをそろえればよいわけではありません。
一人暮らしなのか、子どもや高齢者と暮らしているのか、ペットがいるのかによって、災害時に必要なものは変わります。

内閣府も、家庭の状況に応じて必要なものを備えることを防災対策のポイントとして示しています。
引越しを機に、家族それぞれの生活に合わせて防災用品を見直してみましょう。

一人暮らしに必要な防災用品

一人暮らしでは、災害時に自分一人で判断し、行動しなければならない場面があります。
基本的な備蓄品に加えて、連絡手段や情報収集手段を確保しておくことが大切です。

たとえば、次のようなものを準備しておきましょう。

  • 飲料水・非常食
  • 懐中電灯
  • モバイルバッテリー
  • 携帯トイレ
  • 救急用品
  • 常用している薬
  • 非常用持ち出し袋
  • 携帯ラジオ

また、体調を崩したときや避難が必要になったときに備えて、家族や友人など、緊急時に連絡できる相手を決めておくことも重要です。
引越し後は、新居の住所を家族などに共有しておくと、緊急時の連絡にも役立ちます。

子どもがいる家庭に必要なもの

子どものいる家庭では、大人向けの防災グッズだけでは足りないことがあります。
年齢によって必要なものが大きく変わるため、普段の生活で使っているものを基準に考えると準備しやすくなります。

乳幼児がいる場合は、次のようなものが候補になります。

  • おむつ
  • おしりふき
  • ミルク
  • 哺乳瓶などの授乳用品
  • 子ども用の飲料水・食品
  • 着替え
  • 母子健康手帳などの必要書類

少し大きな子どもであれば、食べ慣れた食品や飲み物、衛生用品に加えて、不安や退屈を和らげるおもちゃや本を用意しておく方法もあります。

また、子ども自身にも、「防災グッズはどこにあるのか」「災害が起きたらどうするのか」を、分かる範囲で伝えておきましょう。

古い防災グッズ・備蓄品はどうする?

引越しでは、普段あまり開けない収納から、古い防災グッズや備蓄品が出てくることがあります。
「せっかく買ったものだから」と、そのまま新居へ持っていきたくなるかもしれません。

しかし、防災用品には使用期限や賞味期限が設定されているものがあり、時間の経過とともに劣化するものもあります。
引越しをきっかけに一つずつ状態を確認し、必要なものだけを新居へ持っていきましょう。

賞味期限・使用期限を確認する

まず確認したいのが、食品や飲料水の賞味期限です。
非常食を長期間しまっていると、気づかないうちに期限が近づいていることがあります。
段ボールに詰める前に、パッケージを確認しておきましょう。

期限が近いものは、すぐに廃棄するのではなく、普段の食事に取り入れて消費し、新しいものを補充する方法があります。
いわゆるローリングストックを取り入れると、備蓄品を定期的に入れ替えやすくなります。

食品以外にも、電池や衛生用品、医薬品などには、それぞれ使用期限や保管上の注意があります。
「防災用品だから長期間保管できる」と一括りにせず、商品ごとの表示やメーカーの案内を確認しましょう。

劣化した防災用品は買い替える

防災グッズは、使っていなくても、保管状態や時間の経過によって劣化することがあります。

たとえば、懐中電灯やラジオなどの電池式用品は、電池の液漏れがないかを確認しておきたいところです。
モバイルバッテリーなどのリチウムイオン電池を使った製品は、膨張・破損・異常な発熱がないかを確認してください。
異常がある製品は使用せず、メーカーや自治体が案内する方法で処分しましょう。

乾電池やライトも、実際に使えるかどうかを確かめておくことが大切です。
「持っているから大丈夫」と思っていても、いざ使おうとして電池切れや故障だったという事態は避けたいものです。

引越し前に一度動作確認をしておけば、新居に不要なものを持ち込まずに済みます。

引越しを機に不要品を整理する

防災用品を確認していると、「以前は必要だったけれど、今は使わなくなったもの」が見つかることもあります。
家族構成の変化、子どもの成長、ペットを迎えたことなどによって、必要な防災用品も変わるためです。
反対に、新居の環境に合わせて新たに用意したほうがよいものが見つかることもあります。

たとえば、次のようなものがないか確認してみましょう。

  • 使わなくなった古い防災用品
  • 期限切れの非常食
  • 壊れているライト
  • サイズが合わなくなった防災用品
  • 重複している備蓄品

引越しは、こうした不要品を整理するよい機会です。
まだ使える防災用品は、すぐに廃棄せず、譲渡や寄付など別の活用方法がないか確認してみるのも一つの方法です。

防災グッズを処分するときの注意点

不要になった防災グッズは、すべて同じ方法で処分できるわけではありません。
食品、電池、家電、モバイルバッテリー、スプレー缶など、品目によって分別方法が異なる場合があります。

とくに、電池や充電式バッテリーを一般ごみに混ぜてしまうと、収集や処理の過程で発火するおそれがあります。
処分するときは、お住まいの自治体の分別ルールを確認しましょう。

引越し業者に不要品の処分を依頼できるかどうかは、業者や契約内容によって異なります。
処分したいものが大量にある場合は、引越し前に対応可能か確認しておくとスムーズです。

防災用品を整理するときは、「古いから捨てる」で終わらせず、まだ使えるもの・買い替えるもの・処分するものに分けることが大切です。
整理が終わったら、「何を捨てたか分からない」「必要なものまで処分してしまった」とならないよう、新居で必要な防災用品をあらためて確認しておきましょう。

防災対策は、一度準備して終わりではありません。
暮らしや家族構成が変わるたびに見直すことで、その時点の生活に合った備えを保ちやすくなります。

まとめ|引越しを機に防災対策を見直そう

引越しは、荷物を新居へ運ぶだけでなく、これまでの暮らしや持ち物を見直すきっかけにもなります。
防災対策も、このタイミングで一度整理しておくと、新しい住まいに合わせた備えを考えやすくなります。

大切なのは、防災グッズを買うことだけではありません。
新居周辺の災害リスクを確認し、避難場所や避難経路を把握したうえで、家具の配置や防災用品の収納場所まで考えておきましょう。

引越し前から新居の防災環境を確認する

引越し先が決まったら、まずハザードマップなどを確認し、新居周辺で想定される災害を把握しておきましょう。
あわせて、避難場所や避難経路、家族との連絡方法も確認しておくと、いざというときの行動を考えやすくなります。

さらに、現在持っている防災グッズや備蓄品も点検し、期限切れや劣化したもの、今の暮らしに合わなくなったものを整理しておきましょう。
引越し前に必要なものを見極めておけば、不要な防災用品を新居へ運ぶ必要がなくなり、新居で用意すべきものも見つけやすくなります。

防災グッズは「買う」だけでなく「使える状態」にしておく

防災グッズは、用意して終わりではありません。
非常用持ち出し袋の場所を家族が知らなかったり、懐中電灯の電池が切れていたり、非常食の期限が過ぎていたりすれば、必要なときに役立てられない可能性があります。

新居では、次の点を確認しておきましょう。

  • どこに何を置くか決める
  • 家族全員で収納場所を共有する
  • 懐中電灯などが使えるか確認する
  • 非常食や飲料水の期限を確認する
  • 引越し当日に必要なものを手元に置く
  • 避難経路を家具や荷物でふさがない

とくに引越し直後は段ボールが多く、普段とは違う生活環境です。
荷ほどきが終わっていなくても、最低限の防災用品だけは、すぐ使える状態にしておくと安心です。

新居で安心して暮らすために定期的に見直そう

防災対策は、一度準備すればずっと同じ状態でよいわけではありません。
家族が増えたり、子どもが成長したり、ペットを飼い始めたりすれば、必要な備えも変わります。
家具や家電を買い替えた場合や、収納方法を変えた場合も、防災の視点で確認してみましょう。

非常食や飲料水には期限があるため、定期的にチェックする習慣をつくることも大切です。

引越しは、こうした防災対策をまとめて見直せる絶好の機会です。
「防災グッズを買わなければ」と考えるだけでなく、新居の環境を知り、必要なものを整理し、使いやすい場所に備え、家族で共有するところまで意識してみてください。

新しい生活を始けるタイミングだからこそ、普段の暮らしと災害への備えを一緒に考えておくことが、安心して新生活をスタートするための土台になります。